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2017年2月 5日 (日)

[北海道] JR根室本線:富良野~新得が廃止になると、旭川・美瑛・富良野~十勝帯広間の鉄道ネットワークがなくなってしまうけど

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2016年10月に根室本線の富良野~新得間が廃止濃厚だという記事を書きました(→過去記事『「北の国から」の始まりの駅「布部駅」消滅? JR根室本線富良野~新得廃止が濃厚』)

その後、2017年1月には、JR北海道は3年後には全線で運行が不可能になるというショッキングな報道も流れました。

”厳しい経営状況に陥っている北海道旅客鉄道(JR北海道)が、2020年度までに資金不足に陥り、道内で列車の運行ができなくなると試算しているとの報道に、地元に衝撃が走っている。”

via:北海道のJR全線、3年後には運行不可能 「JR北海道試算」報道の衝撃 - J-CASTニュース

経営が苦しく、全線において運行状況が厳しいということでは、ローカル輸送がメインとなってしまっているJR根室本線「富良野~新得間」の存続は、かなり難しいという状態でしょう。


この富良野~新得間は、確かにローカル輸送に徹している区間ではありますが、両端の駅ではそれなりに利用者のいる路線には繋がっているんです。そして、この区間が廃止になれば、北海道の主要都市でもある旭川と帯広を結ぶ鉄道ネットワークが断絶してしまうんですね。

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『JR時刻表 2015年3月号』より

旭川だけではありません、美瑛・富良野といった北海道の主要観光地と十勝地方・帯広を結ぶ路線でもあります。


旭川~帯広の鉄道での移動は厳しいのか

確かに線路は旭川~帯広は繋がっています。しかしながら、旭川と帯広を直通する列車はほとんどありません。手元に最新の時刻表がないので、2016年夏の災害により根室本線が不通になる前の状況はわかりませんが、『JR時刻表 2015年3月号』では、旭川~帯広を直通する列車はたった1往復しかありませんでした。

所要時間は旭川→帯広は約3時間51分、帯広→旭川は3時間11分かかります(方向で所要時間が大幅に違います)。なお、富良野~帯広間のみ快速です。

富良野駅で30分も停車する関係もあり、帯広→旭川より所要時間が大幅にかかっていますが、帯広→旭川の所要時間を考えると、物理的には約3時間10分で運行できるものだと思います。

なお、帯広→旭川を最速で移動できる快速狩勝は、2012年に乗ったことがあります(この時は、帯広→美瑛の移動に使いました)。

[過去記事]
[鉄道の旅] 快速狩勝:帯広→美瑛 2016.8.8



では、自動車で旭川~帯広を移動するとどれぐらいかかるでしょうか。

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「Y!地図」アプリより

約3時間10分と、自動車も鉄道もほぼ同じ所要時間です。



では、高速バスではどうでしょうか?

北海道拓殖バスの都市間高速バス「ノースライナー」は、旭川~帯を結んでいます。1日4往復あり、そのうち3往復は狩勝峠経由、1往復は三国峠経由で、狩勝峠経由の3往復の所要時間は4時間ちょうど、三国峠経由の1往復のの所要時間は3時間45分。鉄道(ただし最速)と比べて、約35~50分も時間がかかり、実は物理的には旭川~帯広間はバスより鉄道の方が早く移動できるのです。

ノースライナーページ - 北海道拓殖バス公式ホームページ



鉄道VS高速バス 値段の比較は?

まず、鉄道ですが、根室本線が東鹿越~新得が不通のままなので(2017年2月3日現在)、乗換検索サイトでは調べることができません。

なので、時刻表より旭川~帯広の距離を調べると180.3km。運賃は、幹線と地方交通線で額が違い、旭川~富良野は地方交通線、富良野~帯広は幹線に分類されますが、幹線と地方交通線を連続して利用する場合は、端数を切り上げて幹線運賃が適用されます。なので、180.3km→181kmとなり「JR北海道内の幹線の普通運賃表」の181km~200kmの欄を確認すると、鉄道の運賃は3670円となります。

乗車券│きっぷのルール - JRおでかけネット




一方、都市間高速バス「ノースライナー」は、ホームページより確認ができ、バスの運賃は3240円となり、バスの方が安いのです。運賃の面ではバスが圧倒的有利でしょう。

なお、JRでは2015年3月31日まで「旭川・帯広往復割引きっぷ」というのが発売されていました。現在は発売終了となり使えませんが、運賃改定前の情報ではありますが、このきっぷを使えば、バスよりも鉄道の方が安かったという話もあります。

”ちなみにバスは旭川〜帯広で3150円。鉄道だと3570円。一方、バスは往復だと6000円に対し、鉄道だと「旭川・帯広往復割引切符」があり5600円でバスより安い”

via:旭川からの帰り道で鉄道を考える - 活動日誌


今は、「旭川・帯広往復割引きっぷ」もありませんし、帯広と旭川を最速3時間11分で結ぶのは片道1本しかないですし、そもそも根室本線が(東鹿越~新得間を)復旧せずにそのまま廃止になってしまうかもという状態なので、こんな前提条件では全く鉄道は有利ではありませんが、

帯広~旭川を最速3時間10分で結ぶ快速を、バスより多い本数を走らせ、バスより安いきっぷを発売すれば、もっとこの区間の利用者を増やせたんでは、、、と思うんですけどね。

あと、帯広~旭川は距離が100kmを超えているため、帯広~旭川の乗車券を買えば、2日間有効で美瑛や富良野にも(自由に)途中下車できる特典(?)も付くので、旭川~美瑛~富良野~帯広の観光ルートが成立すると思うのですが(あくまで、旭川~帯広直通の快速列車を数本運行することが条件でしょうが)、もう後の祭りかもしれません。


根室本線 富良野~新得の今後は

富良野~新得の存廃どころでなくなってきてるかもしれないJR北海道ですが、北海道庁もワーキンググループを作ってこの事態を検討しています。


”JR北海道の鉄道事業見直しを受けた鉄道網のあり方を議論する道の鉄道ネットワークワーキングチーム(WT)が30日、検討結果の報告書案をまとめた。”

”報告書案によると、 北海道新幹線 が札幌まで延伸する2030年ごろの鉄道網のあり方を 《1》札幌と中核都市等をつなぐ路線 《2》広域観光ルート 《3》国境周辺・北方領土隣接地域の路線 《4》広域物流ルート 《5》地域の生活路線 《6》札幌近郊の都市圏路線―の六つに分類した。”

via:JR石北、宗谷線の維持目指す 北海道の部会報告書案 (北海道新聞) - Yahoo!ニュース

この報告書では、各路線がどの分類に属しているのかは明言されていないため、これから先は、あくまで推定ですが、根室本線富良野~新得間は『《2》広域観光ルート』か『《5》地域の生活路線』のどちらかに分類されていること思われます。


”《2》と《4》は観光と物流の役割を認めながらも地域での検討などを求めた。”

”《5》は他の交通機関も含めた最適な地域交通のあり方の検討が必要とし、バス転換も視野に入れた議論の必要性を示唆した。

via:JR石北、宗谷線の維持目指す 北海道の部会報告書案 (北海道新聞) - Yahoo!ニュース


仮に、富良野~新得間が『《2》広域観光ルート』に分類されていた場合、”地域での検討などを求めた”と書かれているため、この地域に広域観光ルートに含むほうがふさわしい考えられる、旭川や帯広が含まれているのか、気になる所です。広域観光ルートと認定しながらも、富良野~新得の沿線自治体だけでの検討になれば、なかなか広域のところまで話が広がらないと思うんです。

ただ、現在不通になっているJR根室本線の東鹿越~新得間のうち、新得側末端の落合~新得間は、代替バスすら走っていない状況なので、地域の生活路線の役割すら果たしているか怪しい状況だと思います。

当初から述べている通り、旭川~帯広間は、都市間高速バスが運行しています。このJR根室本線が不通になる前から、旭川~帯広間の公共交通での移動はほとんど直通で乗り換えなしの高速バスが担っているのではないかと考えられるため、やはり富良野~新得間の鉄路廃止は避けられない状況なのでしょうか。

参考資料その1

A

(あくまでJRが最速という前提ですが)旭川~帯広間の移動は、JR(ただし最速)と自動車がほぼ互角で、JR(ただし最速)の方が高速バスよりも圧倒的有利という状態です。



参考資料その2

Bb

根室線が不通になる前のデータではありませんが、2015年3月号の時刻表より、旭川~帯広を鉄道で移動した場合の所要時間を算出してみました。帯広~旭川の列車での移動は、往復どちらも5便あります。

ずっと最速3時間11分の話をしていましたが、前述の通り、最速3時間前半は帯広→旭川の1便のみで、実情としては乗換ありで所要時間は高速バスとほぼ同じの約4時間か、さらに大幅に時間がかかるケースばかりでした。高速バスが乗換なし、着席あり、安いということを考慮すれば、現状、旭川~帯広間を鉄道で移動する人はかなり少なかったのだと思います。


考察

JR北海道のグループ会社が営業する北海道内のホテルは、札幌、旭川、帯広の3都市にあります(『JRガゼット vol.336 2015年3月号』より、大沼のホテルは2015年に売却されたようです)。これより、やはり道南(函館)を除いて、JR北海道が注力したい都市は札幌、旭川、帯広のようです。だからこそ、旭川~帯広の鉄道ネットワークは重要だと思うのですが。

おわりに

旭川~帯広を速達する快速や特急を1日に4本以上運転すれば、JRはこの区間で利用客を取り込めると思うのですが、、、

そこまで投資するのはやはり厳しいでしょうか。絶対的なパイも少ないのでしょうか。

今後の、鉄道を使った北海道観光には重要な鉄道ネットワークと思うんですけどね、この区間は。異論反論は大いに認めますが。

地域輸送の視点でなく、大局的な観点より広域観光ルートとしてなんとか存続して欲しいと願うばかりです。


※1この考えには行き違いの関係、各駅停車が削減されること、新得~帯広間の特急のこととかは考慮に入れていません。あくまで、物理的な話だけです。

※2 北海道の交通事情に詳しくないため、机上の空論に近いことを書いている可能性があります。誤りなどがあれば、指摘していただければ嬉しいです。


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コメント

ごぶさたしています。

昔は夏には1日1往復の臨時快速もあったのに、1往復の定期列車の快速が1両で事足りるあたり、採算は合わないでしょうね。
でも、日勝越えのルートに何かあったときに、貨物や「おおぞら」のバイパスにもなりうるし、廃止となるとネットワークそのものがこれまで以上にもろくなりそうで、気になります。
もっとも山越えで地元住民の利用がさほど多いとは思えない点、道や国が腰を据えないと、と思います。

投稿: ぴよ | 2017年2月 9日 (木) 23時50分

>ぴよさん

おっしゃる通り、石勝線(貨物・とかち・おおぞら)の代替路線にもなりますね、この点を書くのを忘れていました(今回はどちらも被災してしまいましたが)。

最近の道の動きを見ても、JR北海道の大赤字路線の存続はかなり絶望的のように感じています。

投稿: ぶるーばーど | 2017年3月13日 (月) 19時22分

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